sankt−3
売る気があるのか?
前述したように、サンクトペテルブルグはとにかく広い。そこで地図を求めて、ネフスキー大通りにある、カザン聖堂の向かい側の本屋「ドーム・クニーギ」に行くことにした。地図は、2階で売っていた。カウンターで売っている場所を尋ねようとしたら、店員はあのモスクワ空港のレストラン「富士」を思い起こさせるくらいに、愛想がなかった。まず、地球の歩き方に記載されていた地図の名前「ПАССАЖИРАМСАНКТ−ПЕТЕРБУРГ」を見せた。そしたら、一言もしゃべらずに棚を指した。何段目のどこから辺かということを教えてくれなかったために、探すのに骨が折れた。それだけでなく、私にはこのロシア語がすらすらと浮かんでこない。いちいちこの文字を見直さないと探すことができなかった。あれやこれやと調べてやっと見つけることができた。けっこう大きな地図だった。確かにこれは便利で、バス・トラム・地下鉄とすべての交通機関の系統と乗降地が記してあった。
これをカウンターにもって行くと、店員は、つんとした顔で受け取り、いやいやしているかのように、レジに数字を打ち込みだした。いくらかかるのかということも言いたくないらしい。レジの数字を見て、ルーブルを支払った。ロシアではまだ一言も口を利かずに商売ができるらしい。この態度は、まったく私には信じられない。本当に売る気があるのだろうか。市場主義をいくら導入しても、社員教育というか、もうけたいという気持ちを身につけなければ、経済なんて成長するはずがない。働くのがもったいないと思っているのだろうか。それとも権威主義だろうか。社会主義の負の財産が、いろんなところで垣間見えるが、この本屋がその典型だった。こんないやな気分を味わっても、本屋はここ以外にはないので、ここで買うしかなかった。
「宮殿広場とアレクサンドルの円柱」