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ドストエフスキー 

この年齢で「罪と罰」を読む 

 旅行に行く前に数冊の本を読むのが私の旅のスタイルである。今回のサンクトペテルブルグでは、小説の舞台にもなっているので、ドスエフスキーの「罪と罰」を読むことにした。上・中・下の三巻であるが、けっこうすぐに読めた。それもそのはず、この作品は中学生の夏休み課題図書にもなるぐらいだ。でも、私にはこんな本がぴったりだ。この年齢で「罪と罰」を読むのは、少々気恥ずかしい気もしたが、サンクトペテルブルグを知るにはとてもよい本だった。
 感想は、一言で言うとロシア文学というより、推理小説に近い。話の展開がどうなるのかとどんどん引き込まれていった。面白い小説だった。人間の心理を巧みに描いた名作だろう。そして、根幹をなしているのは、キリスト教的道徳観である。主人公ラスコーリニコフの狂気とも人間の深層心理もつかない心理描写が見事だった。そして、神を思わせる娼婦のソーニャの自己犠牲的な献身ぶりには感動させられる。人間の醜さと救いが描かれた、スリリングな小説だった。ロシア革命の直前の社会の状態が見て取れたが、ドストエフスキーには社会主義の思想はまったく見て取れなかった。彼は、基本的には信心深いヒューマニストなんだろうと思った。たかが1冊読んだだけでは何ともいえないが・・・・・。
 下の左の写真は、ドストエフスキー記念館の資料で、「小説の原稿(多分「罪と罰」)」と「ラスコーリニコフの下宿の想像図」である。