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私は、10日間ほどの間、携帯の電源を切り、家族とも、職場とも交信を絶ち、人目につかない場所を探して、どこで死のうか考えながら車を走らせ続けた。
脳が締め付けられるような感覚と、不気味な空気は、常に私につきまとっていた...
..しかし今思えば、本当に死のうと思っていたのかどうか良く分からない部分もある。ぼーとして、震えながら、それでも車を運転して、赤信号ならブレーキも踏める。不思議で不気味な世界...
家族や仕事のことは殆ど頭に無く、でも、どこかでは「俺はあの仕事のプレッシャーから結局逃げたんだな、でももう死ぬんだから関係ないか」等と考えながら
失踪中は殆どが車の中での寝泊だった
時おり、人間に相応しい衝動が走り、ビジネスホテルに泊まることもあった。
有り金で焼酎を買ってストレートでラッパ飲みして眠り、朝目が覚めたらまた車を走らせ、人気の無いところでカッターナイフを取り出し手首に当てる。
半分は本気ではない...しかし何処からか死ななければならないと言う思いが沸いて来るのだ。
これで終わりなのだ、自分に道は無い、スーとカッターナイフを走らせる。
しかし、正直なところ、これが結構痛い、痛いという感情は残っていたらしい...ためらい傷とよく言うけが、せいぜい「ためらいカサブタ」が何箇所かできた程度だった。いまでは痕跡すら残っていない。
高いところから飛降りようとしたり、走ってくる車に飛び込もうとしてみたが..結局怖くて出来やしない。
御丁寧に、遺書も書いてみた。でも、結局、何も出来なかった。
死ぬ甲斐性も無いか..ますます惨めな深みにハマり死ねないくせに、死のう死のうと考えている滑稽な姿
ところが、10日目辺りで、朝目覚めたときに少しまともな事を考えるようになっていた。 「あぁ俺は今とんでもない事してるな」「家族にも連絡してないな」「会社は...くびか..」
今更、どこの誰に合わす顔があるのか...分からないが、最後はカミさんと子供の顔がやっと浮かび「とにかく今の状態だけは終わらせよう」と思い帰路についた。
自宅に向かって走りながら「やっぱり俺は引き返して死ななければならないのだ」と何度も考えたが、その内に妙案が浮かんだ。
「プライドを捨てよう....」
それしか帰り着く方法がなかった。そしてなんとか「我が家にたどり着いた」
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