| ダイオキシン、環境ホルモン、容器包装リサイクル法など、包装用プラスチックにとって環境対策は避けて通れない状況にある。そこで、用途は限定されるが、環境にも優しく、容器包装リサイクル法にも有利な、OPP単体包装に焦点をあててみた。 パートコート(PC)袋 一般にOPPフィルムはヒートシールができないため、単体では、密封包装体として使用することが困難である。そこでヒートシールをする部分にだけ感熱性の接着剤をパートコートして、単体でもシールできるようにした袋がパートコート(PC)袋である。 <パートコート袋の包装性能> パートコート袋が登場して久しいが、その需要は根強い。その理由として次のようなことが考えられる。 @印刷および接着剤コートが同時に行えるので製造が簡単である。ラミネート工程が省略できる。 AOPP単体のため安価で、腰があり、透明性がよい。使用されるOPPの厚みは30〜60μ、一般には40,50μが多い。 BOPPフィルムは他のプラスチックフィルムと比較して防湿性に優れている。 Cシール温度が低く(75〜140℃)、かつ範囲が広いので加工しやすくロスも少ない。 一方欠点も多く、その用途は限定される。 @ラミネートフィルムと異なりインキ面をサンドイッチの状態にできないので、光沢などの点で若干劣る。一般的には表印刷になっている。そのため、簡易包装のイメージがあり、高級感を表現するのに苦労する。 内容品が個装されている場合は、食品と外袋のインキが直接接触しないので、裏刷でも使用できる。また、OPPを2枚ドライラミネートし、インキをサンドイッチすることも行われている。こうすればシール部にインキがあっても加工上、衛生上問題はない。 (例) OPP/インキ/OPP/パートコート Aシール強度が小さく、300〜500g/15mm巾くらいである。したがって、重量物の包装には適さない。また、シール部分の耐寒性に劣り、低温になるほどシール部がもろくなり、破袋しやすい。 B四方シール袋では積み重ね時にシール部に大きな力が加わり、破袋の危険がある。大部分は背中シールのある合掌袋として用いられている。 C合掌袋やガセット袋は、折り曲げ部での完全密封ができないので、液体を含んだ商品には使用できない。ただし、防湿性には影響は少ないので、防湿包装用としては優れている。 D防湿性は良いが、ガス透過度が非常に大きいので、脱酸素剤封入包装、ガス充填包装はできない。ただし、アルコール遮断性は比較的良いので、アルコール蒸散剤封入包装には使用できる。 これらの理由によって、その用途は菓子、乾燥食品、雑貨など、内容品が化学的微生物的変化が起こりにくく、かつ軽量安価なものが圧倒的に多い。 パートコート袋に、強度的にみた適性内容量を超えた量を入れると、シール強度が低いため、破袋事故が生じやすい。そこで、落袋テストを中心にして、各種寸法のパートコート袋の適性内容量を実験的に検討した結果、内容量のみかけ比重が大きく影響し、みかけ比重が0.4以下であれば最大容積の2/3量を充填しても支障はない。また、みかけ比重が0.7付近であれば1/2量、同じく1.0以上であれば1/3量が適当と考えられる。店頭での積み重ねの便利さから考えれば最大容積の1/2量が好都合となる。その量が最大容積の何分の一かを判断する簡単な方法は、内容品を入れ、袋の上部を持ってぶら下げ、内容品の上部が袋のたて寸法の何分の1まであるかを側れば、だいたいの目安がつく。表1(このページの最後部)に、市販されている、パートコ−ト袋を 使用した包装品の例を示した。 <パートコート包装品の膨れ現象について> 商品を入れたOPPパートコート袋が膨れるという現象が時々起こる。これはシールエッジのピンホール部から空気が入り込むためである。前述したように、ピロータイプ、ガゼットタイプのように、折り目のあるOPP袋は完全密封が困難である。充填された袋は内容品のため、あるいは、フイルムの反発力によって内部から押し上げられ、膨れようとする。ここで、袋内が減圧となり、ピンホールから空気が吸い込まれるのである。これを押さえると空気は急には排出されないので膨れた感じを受ける。弱い圧力をゆっくりかけると徐々に排出され、元に戻る。 <パートコート袋の環境への影響および容器包装リサイクル法との関係> OPPはポリプロピレンなので、燃焼させてもダイオキシンの発生原因にはならない。水性パートコート剤もアクリル系なので塩素は含んでいない。 容器包装リサイクル法の全面施行を4月に控えて、包装材料の軽量化を要求されることも考えられるが、OPPは汎用プラスチックの中では最も比重が小さく、重量で計算する容器包装リサイクル法では、軽量化の代表的な包装材料である。 OP/CP共押フイルムとは 共押出しフイルムというのは異種の樹脂を平行した2つ以上のスリットから共に押出し、成膜すると同時にラミネートまでされているというものである。フイルム状にできないような数μという薄いものでも積層可能なので、いろいろな性能・用途のフイルムがつくられている。しかし、共押出しの層と層の間に印刷などの加工はできない。OP/CP共押フイルムはヒートシール性OPPに分類される。OPPの片面または両面にシール性のPPを共押出ししたもので、構成は次のようになっている。 (片面シール) OPP面(コロナ処理面)/OPP層/CPP面(ヒートシール層約5μ) (両面シール) CPP面(ヒートシール層約5μ、コロナ処理面)/OPP層/CPP面(ヒートシール層約5μ) <OP/CP共押フイルムの特徴と用途> OP/CP共押フイルムは、片面または両面にヒートシール性PPが層を作っており、厚みはOPPの厚みに関係なく約5μほどである。20μの両面シール性フイルムはOPP層が10μ、シール層が両面で10μである。50μ片面シール品ではOPP層は約45μ、シール層は約5μである。 OP/CP共押フイルムのシール強度は400〜600g/15mm巾で、パートコートよりも高いが、シール剥離の状態は、パートコートとは異なり、エッジ切れになる。衝撃に弱く、重量物には適さない。市販品調査でも、個装、味付海苔外装、かつおパック外装、やき麩など、パートコートよりも軽量物の包装で使用されている。両面シール性のフイルムはまんじゅうなどの角折り包装、オーバーラップ包装に利用されている。パートコートと違って、片面、両面シールのほか、静電気防止タイプ、パール調フイルム、片面・両面防曇タイプ、高シール強度タイプなど種類は多い。厚みは20〜60μである。 <OP/CP共押フイルムの環境への影響および容器包装リサイクル法との関係> パートコート袋と同じく、OP/CP共押フイルムも全てポリプロピレンなので、燃焼させてもダイオキシン等の有害物質発生原因にはならないし、容器包装リサイクル法にも有利である。 アクリルコートOPPフイルム 表1.OPP単体フイルム包装の市販品の調査
|