包装食品における不当表示とは何か

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 はじめに

包装食品の表示に関する法律としては食品衛生法、JAS法、栄養改善法、不当景品類及び不当表示防止法(略して景品表示法)などがある。前三法による表示方法はすでに取り上げたので、本号では景品表示法によって規制される不当表示について述べる。
 不当表示とは「著しく優良または有利であると一般消費者に誤認されるおそれのある表示」のことで、市販の包装食品でも不当表示はしばしば見られる。不当表示や虚偽表示が消費者不信を招いているともいわれ、包装食品の表示には一層の正確さが求められている。

 

不当景品類及び不当表示防止法(表示関連のみ抜粋)

(昭和37年5月15日法律第134号)

(目 的)

第1条 この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)の特例を定めることにより、公正な競争を確保し、もつて一般消費者の利益を保護することを目的とする。

(定 義)

第2条の2 この法律で「表示」とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行なう広告その他の表示であつて、公正取引委員会が指定するものをいう。

(不当な表示の禁止)

第4条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の名号に掲げる表示をしてはならない。

一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、実際のもの又は当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示

二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるため、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示

三 前2号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認めて公正取引委員会が指定するもの

(公正競争規約)

第10条 事業者又は事業者団体は、公正取引委員会規則で定めるところにより、景品類又は表示に関する事項について、公正取引委員会の認定を受けて、不当な顧客の誘引を防止し、公正な競争を確保するための協定又は規約を締結し、又は設定することができる。これを変更しようとするときも、同様とする。

 

表示に関する公正競争規約(食品のみ記載)

 現在承認されている公正競争規約は117件(内訳 景品規約 47件 表示規約 70件)で、食品関係は次の

通りである。

◆食品一般

1 飲用乳

2 はっ酵乳・乳酸菌飲料

3 殺菌乳酸菌飲料

4 チーズ

5 アイスクリーム類及び氷菓

6 はちみつ類

7 ローヤルゼリー

8 うに食品

9 辛子めんたいこ食品

10 削りぶし

11 食品のり

12 食品かん詰

13 トマト加工品

14 粉わさび

15 生めん類

16 ビスケット類

17 チョコレート類

18 チョコレート利用食品

19 チューイングガム

20 凍豆腐

21 食酢

22 果実飲料等

23 コーヒー飲料等

24 合成レモン

25 豆乳類

26 マーガリン類

27 観光土産品

28 レギュラーコーヒー等

29 ハム・ソーセージ類

30 食肉

31 包装食パン

32 即席めん類等

◆酒 類

33 ビール

34 輸入ビール

35 ウイスキー

36 輸入ウイスキー

37 しょうちゅう乙類

38 泡盛

39 酒類小売業

 

 一般に公正競争規約では、消費者が商品選択を行ううえで、商品の特性などに則して次のような事項の表示が義務付けられている。

・商品に必要な表示事項

 その商品がどのようなものであるかを示すために「種類別名称(品名)」、誰が製造したか、責任の所在を明らかにするために「事業者の氏名・住所」、使用されたすべての「原材料」を使用重量の多いものの順に、添加物を使用しておればその旨、また内容量、期限表示等の表示もできるだけ表示すること。

・表示の基準

 「完全」・「最高」などの表示、乳飲料の「濃厚」・「特選」、生めんの「手打」・「特産信州そば」、ハム:ソーセージの「手造り」・「塩分ひかえめ」、ビールの「生」、ウイスキーの「熟成年数」、ビスケットで「バタービスケット」と表示する場合等、それを表示できるものと表示する基準を規定している。

・不当表示の禁止

 表示規約では不当な表示の禁止についても規定している。

 

不当表示、虚偽表示とされる例

○「美容によい」は使用不可

○のど飴 「のど」は体の部位なので使用できる。

○せき飴 「せき」は症状なので使用できない。

○ブレンド米の誇大表示−実際の使用割合は僅かなのに、人気銘柄を強調することや「ブレンド」という文字をごく小さく表示し、人気米の単品商品のような印象を与える表示。

○水飴を混入したはちみつに「天然はちみつ」と表示。

○「缶詰や外箱などの絵や写真、説明文と中味が違っている場合」など商品やサービスの内容について、実際のもの又は他の事業者のものよりも著しく優良であると消費者に誤認させる表示。

○「根拠がないのに『1000円の品を500円』などと表示する場合」など商品やサービスの取引条件について、実際のもの又は他の事業者のものよりも著しく有利であると消費者に誤認させる表示。

○「A社の缶詰には人工甘味料が入っていますが、当社のものには入っていません」と広告した場合、実際にはA社の缶詰にも人工甘味料が入っていない場合。

○「かに身」と「合わせみそ」で作られているものに、「かにみそ」の名称をつけること。原材料として100%岩海苔を使用していないのに、「岩のり」の名称をつけることなど、当該商品でないものを当該商品であると誤認されるおそれのある表示。

○「栗」を使用していない羊かんに、「栗羊かん」の名称を付したり、「茶」を使用していないそばに「茶そば」の名称を付したりして、実際のものよりも優良であると誤認されるおそれがある表示。

○「手焼き」「炭焼き」「手打ち」でないものを「手焼き」「炭焼き」「手打ち」と表示して、実際のもの又は競争業者のものよりも優良であると誤認のおそれがある表示。

○特定の成分または原材料が多いことまたは少ないことを強調して、あるいは「天然」「自然」「純」「生」「フレッシュ」などの表示を用いて、実際のものまたは競争業者のものよりも優良であると誤認されるおそれがある表示。

○客観的な基準・全国協議会の定める基準によらないで、「特上」「特選」「極上」「超」「最高級」などの表示を用いて、当該商品が優良であると誤認されるおそれがある表示。

○別商品または別事業について受けた「賞」「推奨」等をその商品についてうけたものであるかのような表示。

○清涼飲料水等において、果汁・果実が全く入っていなかったり、また、入っていても微量(5%未満)であるのに、商品名に果実の名称を用いたり、容器に果実の絵を書くなど、あたかも果汁・果実が入っているかのような印象を与える表示。

○国産品であるのに、「made in U..A」などと表示したり、外国の地図や国旗、外国デザイナーの氏名の表示、外国の文字だけでの表示など外国産品と誤認されるおそれのある表示や外国産品であるのに国産品と誤認されるおそれのある表示など、原産国で生産されたことがわかりにくい表示。

○官公庁や著名人等が購入又は推奨していると誤認されるような表示。

○高い、多、豊富、無、ゼロ、ノン、低、ひかえめ、少、ライト、ダイエット、源、供給、含有、入り、使用、添加などは栄養改善法で、条件に合った場合にのみ使用可。

○保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、)

では国の審査を受け許可(承認)を得たうえで、機能・効能を表示できる。

 


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