| 0211 次亜によってRO膜が劣化する際、流入側、濃縮側のどちらが劣化が進行しやすいのでしょうか? 次亜と膜の反応が速やかであれば、流入側。次亜とROの反応が遅く濃縮側で次亜の濃度が上昇するのであれば、濃縮側の劣化が進むという形になるとは思うのですが。 0211-1 (1)ポリアミド膜の塩素劣化については当Q&Aの#0154と#0191に答えたものがあります。ご覧いただいたでしょうか? (2)基本的には残留塩素が検出される水をRO膜で処理することは不適当です。残留塩素除去の活性炭の能力が低下したとき、気付かずに起こるかもしれませんが、活性炭の2段処理で1段目出口で残留塩素を監視すべきでしょう。 (3)最近、海水淡水化での前塩素滅菌処理には、原水がRO膜に入る前にNaHSO3(重亜硫酸ナトリウム:SBS)により脱塩素しています。 (4)単純なRO処理で原水中に残留塩素が混入した場合、モジュールベッセル内のROエレメントの先頭側が後側より劣化程度が大きくなる傾向があります。 。 (5)#0154の回答にもあるように膜面のファウリング物質中に重金属Cu,Coなど、金属酸化物(Fe,Mn,・・・などの)、粘土鉱物などが含まれると触媒的に酸化劣化を促進することがあります。膜モジュールの後側エレメントにファウリングが顕著な場合、逆に後側のエレメントの劣化が大きくなる可能性があります。従って、これらファウリング物質が膜面に存在する可能性があるかの確認が必要です。洗浄でそれらが除去できぬ場合は、残留塩素による劣化の促進が無いと確認できぬ限り、塩素殺菌は行うべきでありません。 なお、一般に溶存酸素や窒素などの溶存ガスはRO膜に阻止されず通過します。塩素ガス(Cl2)も同様に阻止せず通過そうです。しかし、次亜塩素酸(ClO-) イオンは阻止されると予想されます。#0191に記載した塩素の平衡関係はpHに依存し、阻止側流れ方向の膜面での塩素濃度の分布、アミド膜の塩素化反応速度と併せてかなり複雑と予想されます。そのような動的な検討データがあるか私には分かりません。 |
| 0210 井戸水を、除鉄除マンガン処理 ⇒ 活性炭処理をしていますが、処理後の末端受水槽でピンクスライムが発生し、困っています。 井戸水はもともと有機物が高く検出されます。除鉄除マンガンに塩素を入れ、活性炭処理後でも塩素を入れています。 活性炭処理後で遊離塩素が0.5〜0.8ppmくらい検出されるので、微生物等は発生しないと思うのですが・・・。 ピンクスライム自体何なのか、また、なぜ発生するのか不明です。ご存知の方がいらっしゃれば、教えてください。 0210-1 極めて特異な水質で、限られた地域で起こる珍しい現象のように思えます。近くに同じ地下水系の井水を処理している設備があれば、確かめてみればヒントになるかもしれません。 ご質問の少ない情報からスライム成分を推定できないので、まず何かを見極めなければ対処法を絞れません。スライムをキャッチ可能な ろ紙あるいは精密ろ過膜で濾し採り、XMAで元素を調べれば無機成分であれば直ぐ分かります。XMAの付いたSEMをお持ちでなければ、お近くの工業試験所あるいは化学分析専門会社等に依頼するか、化学的な手法で鉄、マンガン等が含まれるか検証してください。 無機物が検出されなければ、多く含まれるという有機物が怪しまれます。Fe2+イオンやMn2+イオン含む井水は還元態であり、植物の腐食酸(フミン酸、フルボ酸など)を含むこともあり、一般的には着色しています。無色の有機物が共存する可能性も否定できませんので、スライムの赤外線分析すれば、どんな基を含む成分か予想できます。 Fe2+イオンとMn2+イオンを共存する水に塩素を加えるとFe2+イオンとの反応は極めて速く、全てが酸化されてからMn2+イオンの酸化がゆっくり進行します。このとき沈殿(フロック)の形成も水質によって多様で、コロイドを生成すると急速ろ過や活性炭ろ過で除くのは困難でしょう。一見除鉄除マンガン出来たかにみえても残留するMn2+イオンと遊離塩素がゆっくり反応してコロイド化して処理水槽で緑色水になった例がありました。スライムを形成すると言うからには凝集性のある粒子になっているわけです。 活性炭処理の目的もよく分かりませんが、塩素による除鉄除マンガン処理は意外と難しさがあります。処理方法を変えるか、除鉄除マンガン処理水を再度凝集ろ過など2段処理が必要になるかもしれません。 |
| 0209 イオン交換樹脂(約300L)を、メーカより購入し、別のお客様へ納入しております。 そこで、使用後のイオン交換樹脂の廃棄依頼があります。(廃棄証明書の提出依頼もあります。) 質問ですが、ご依頼あったお客様は神戸の方ですが、輸送上の問題(法的接触)はありますか? ※神戸 ⇒岡山の輸送の問題。 弊社からは、契約している、『産業廃棄物処理メーカ』はあります。 ご教示下さる様、何卒 宜しく お願い申し上げます。 |
| 0208 NF膜の評価について質問させてください。 NF膜は電荷を持つため、1価イオンより2価イオンのほうが阻止しやすいとされております。その評価方法として、1000ppmのNaCl,MgSO4を透過させて電気伝導度を測定する方法があると思いますが、この場合、 @NaClはNa+の阻止率になるのですか?それともCl-の阻止率になるのですか?もしくはどちらとも言えるのですか? A膜表面の電荷が【−】の場合は、静電的反発によりCl-の阻止率が上がると思いますが、透過液は電気的中性を保とうとして結果的にNa+の阻止率も上がるのですか? BCaCl2やNa2SO4を透過溶液として用いる場合は、CaCl2ではCa2+が1000ppm,Cl-が2000ppmですが阻止率はどのように考えれば良いのでしょうか? ご多忙かと思いますがよろしくお願いします。 0208-1 @--> NF膜が必ずも電荷を持つとは限りませんが、現在市販されるROやNF膜は、大なり小なり電荷を持つとみて差し支えありません。 電気伝導度による濃度測定は、単一の塩溶液で濃度vs電気伝導度(μS/cm)の検量線を予め準備すれば、容易にできるからです。測定時の温度やPHもチェックしておくべきです。 単一の塩溶液系では透過水のPH変化がなければ、+、−イオン成分毎、あるいは塩成分の阻止率とも表せます。NaClとMgSO4など混合系ではイオン電極などを使い各イオン毎の濃度を測定します。阻止率も各イオン毎に表しています。海水や淡水などの脱塩で電気伝導度阻止率が使われるのは、あくまで大雑把な脱塩度を示すものです。 A--> ドナン平衡が働き、電気的中性を保つと言われていますね。 ・ NFやROの透過メカニズムについては不案内なので夙川学院短大の高木良助先生達の研究を調べてください。 また、以下の見解も参考にしてください。 ・ 2002年日本膜学会 人工膜:「膜と荷電基:生体系から電池まで」谷岡明彦(東京工業大学大学院理工学研究科)・・・膜中の固定荷電基は,イオンの輸送をとうして物質の選択性のみならずエネルギー変換等の機能に重要な役割を果たしている.膜中のイオン輸送現象はドナン平衡とネルンストプランクのまたは非平衡の熱力学に基づく現象論方程により比較的明快に理解することができる. B--> 阻止率測定には一般的に高純度の試薬を用い、重量単位で所定濃度の試験用溶液(原水)を調整しています。阻止率の定義に基づくと、 透塩率=(1− 阻止率)= 透過水濃度÷原水濃度 で示される相対的な透過水/原水の2つの溶液濃度の分率であり、単独イオンに着目する場合とGrossのTDS(Total dissolved Solid)など溶質成分の特定物質濃度の阻止率で示されるものがあります。何を前提条件として定義された阻止率か明確にしておく必要があります。また、阻止率は、測定条件により、原水の濃度の相違や 共存イオンの濃度、さらに濃度分極の影響による膜面近傍濃度も考慮すべきものといえます。 |
| 0207 最近、省エネの検討として膜分離に関して勉強し始めた者なのですが、浸透気化法と逆浸透法の違いについて、駆動力が減圧による蒸発か加圧によるか、までは判ったとのですか、使いわけ(分離性能)が良く理解できないのでどなたか教えて頂けないでしょうか? ・浸透気化膜と逆浸透膜は、機械的強度が許せばどちらにも使用可能なのでしょうか? ・逆浸透法ではなく浸透気化法が選択される事があるのは以下のような考えで宜しいでしょうか? 差圧が小さいから分離が良好? 差圧が小さいので、膜を作成するに当たって強度的な制限が小さい? 因みに分離を検討している物質は、メタノール/ベンゼン/水のような大きさの分子をそれぞれと分けたいと考えております。 |
| 0206 湿式で中空糸膜を製造する際には有機溶媒を用いると思います。 家庭用浄水器や血液浄化にも使われる中空糸膜にはこのような溶媒が残留してはならないと思いますが、具体的にはどのような法律で残留溶媒が規制されているのでしょうか?また膜中の残留溶媒はどのような方法で洗浄されているのでしょうか? |
| 0205 RO膜は酢酸セルロース系とポリアミド系の2種類が実用化されていると思いますが、なぜこの2種類になのでしょう? 他のポリマーではRO膜になりえないのか、あるいは、単に他のポリマーは検討されてこなかっただけなのでしょうか? 逆に言えば、RO膜になりうるためには最低限どんな性質であればよいのでしょうか? 0205-1 前の質問と重複するので先ず、お読み下さい。 多くの高分子素材で薄膜を調整し、塩溶液の透過実験すると水透過や塩の阻止が観察できます。疎水性のポリスルホンでも同様です。しかしながら、実用性のある分離性能には程遠いものです。高い水の透過流束は親水性高分子が必須です。次に、非対称膜、あるいは複合膜など、表面にサブミクロン以下の薄層とそれを支える孔径が傾斜した多孔構造を形成させねばなりません。非対称膜は高分子溶液の溶媒置換によって形成できますが、塩を阻止できるスキン層を形成する材料は多くなく、酢酸セルローズを越える材料は見つかっていません。高分子にスルホン酸基の導入して親水化することもできますが、イオンのキャリアになって高い阻止率は得られません。 複合膜はポリスルホンUF膜の表面でモノマーの重縮合、水溶性高分子の架橋反応によって薄膜を形成します。これも非常に多くの素材が検討されましたが、アミド結合を持つ素材だけが残り、なかでも2官能のm-phenylenediamine(PPD)と3官能のtrimesoyl chloriden(TMC)を主成分として界面重縮合によって得られた全芳香族高分子が優れた塩阻止率と水透過流束を示し、各社とも採用しています。親水性に加え、スキン層表面の極めて微細な「ひだ」構造が高い透過流速に、塩阻止性能は特有な分子構造が寄与しているようです。(当サイトの複合膜のページを参照下さい) MPD-TMC系の欠点はアミド結合の活性水素が塩素化されたり、分解の基点になりやすいことですが、勝るものは1978年以来現れていません。(多くの改良が加えられ、当初より性能は大幅に向上しています)。 なお、最近カーボンナノチューブによるRO膜が検討されているようですが、よく分かりません。 |
| 0204 現在、逆浸透膜の膜素材としてポリアミド複合膜と酢酸セルロース膜が商品化され、主流はポリアミド複合膜と聞いています。 ポリアミド複合膜及び酢酸セルロース膜の長所・短所を教えてください。 よろしくお願いいたします。 0204-1 逆浸透(RO)膜には非対称膜と複合膜があります。前者はUCLAのLoebとSourirajanが多くの高分子から酢酸セルローズ(CA)がRO膜に適していると1962年に発表した歴史的な素材です。初期にはCA膜の塩阻止率や水透過流束を上げる努力が続けられ、海水やかん水の脱塩に実用されるまでになりました。海水脱塩用RO平膜で直接飲用できるレベルの水を得るには、塩阻止率:99%以上、水透過流束:0.2〜0.3m3/m2/day以上が求められました。 膜表面のスキン層を水面展開法で作り、別に作ったCA多孔膜(支持膜)に張り合わせる方法が実用スケールまで検討されましたが、信頼性が得られず商用には至りませんでした。これも複合膜の一種ですがスキン層と支持膜素材を変える方法が考えられ、多くのスキン層の形成方法が検討されました。5員環のフリフリル系を東レが改良したPEC-1000膜は塩阻止率:99.9%を達成しました。しかし、溶存酸素による劣化を防ぐため脱酸素剤の注入が必要で、次第に使われなくなりました。RO平膜では、飛躍的に向上したポリアミド膜に比べ、非対称CA膜の性能は変わらず、エネルギー消費が高く今では殆ど製造されていません。 膜の形状には中空糸もあり、単位容積当りの膜面積を平膜の10倍以上にできます。その分、水の透過流速は低くてもよく、DuPontと東洋紡が製品化しました。前者はポリアミド、後者は酢酸セルローズです。DuPontはRO膜から既に撤退しましたが、東洋紡の製品は現在も全世界に販売されています。平膜と逆にCAだけが残った訳です。 CAとポリアミドの比較を以下に示します。
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| 0203 超純水プラントで前工程(生物、凝集、ろ過、活性炭)のあとの一つ目のRO膜ユニット用ポンプにおいて、SUS316製部品の破損や磨耗が顕著で、非常に困ってます。 本BBSを拝見しますと、ポンプ液の残留塩素濃度はそれ程高くは無いと思われますが、明らかに何か薬物が悪さをしているような傾向です。 膜の洗浄や、膜の性能維持のためにステンレスにダメージを与えるような薬液を常用しておりますでしょうか? スライムコントロール剤など使用しているようですが、何分、成分や用法がブラックボックスのため因果関係をつかむには至っておりません。 何かご教授いただければ幸いです。 |
| 0202 家庭用浄水器の中空糸膜はポリスルホンやポリエチレンなど疎水性のポリマーが使われていますよね。カートリッジは乾燥状態で売られているので、「水と膜の馴染みが悪く、なかなか透水しにくいのでは・・・」と素人的には思うのですが、購入後はすぐに透水して使用できますよね。 以前にPAN系だかセルロース系だかの浄水用大型カートリッジを見たときは、膜が水に浸漬された状態で梱包されていました。使用後にカートリッジをバラしてその膜を乾燥させると収縮してしまい、ほとんど透水できなくなりました。いずれも0.1μmサイズカットの性能なので孔径は同じくらいかと思います。 「親水性」の膜であるが故に、乾燥させると二度と透水できなくなるのでしょうか? それとも中空糸の膜構造が家庭用浄水器と大型モジュールでは違っており、それが「乾燥後に透水できる」性能に影響しているのでしょうか? また、家庭用浄水器の中空糸膜も、一度水に濡れたものを乾燥すると、再び透水できなくなるのでしょうか? よろしくご回答願います。 0202-1 浄水器メーカーの技術者にお聞きした内容にメンブレン情報室が補記したものです。 浄水器用中空糸膜は何らかの親水化処理を行っています。ポリエチレンやポリスルホンなど疎水性中空糸膜を使った浄水器が商品化された当初には界面活性物質を膜多孔質面に残留させる方法がありました。これは使用前に濾過水の泡立ちがなるまで洗浄せねばなりません。界面活性物質が無くなってから乾燥すると、上水道程度の圧力では水は通りません。(膜が破壊しなければバブルポイント以上の圧力で水が透過するようになります。 参照) この方法は今は殆ど使われていないと思われます。主流は高分子膜多孔表面に親水基(−OH、−SO3H、−NH2など)を導入して親水化する方法です。これらは基本的には乾燥しても親水性は残りますが、メーカによって透水度は差があるかもしれません。浄水器を乾燥させると、その過程で膜の濾過水側に菌が入り込み増殖しやすくなるので、乾燥した後再使用はお奨めできません。 親水性素材を使った膜の高分子の周りには分子レベルで水が配位され、水の透過性を高めています。湿潤状態で多孔構造を設定した膜を乾燥すると水のあった空間が素材高分子で埋められ、すなわち収縮た状態で固定されます。それを再び水に浸しても元の多孔構造には戻らず、水も通らなくなります。しかし、酢酸セルロース系など親水性素材の精密濾過(MF)膜でも乾燥後に所定の孔径を保つように造られた製品(試験用のMF膜など)では乾燥後でも水は透過します。 |
| 0201 MBR方式の生物処理設備において染色排水を処理した後、汚泥を膜で分離するときに、残留する染料も同時に分離されるのでしょうか? 分離可能な場合、どの程度清澄な処理水が得られるのか、染料による分離膜の閉塞が起こるのかについて教えてください。 0201-1 MBRで染料の種類にもよりますが、ある程度脱色できるようです。脱色性微生物の選定や処理条件など現場に即した事前の確認は欠かせないでしょう。目に付いたいくつかの文献を紹介します。脱色が不十分の場合はNF膜での後処理が必要かも知れません。 Advanced treatment of textile wastewater towards reuse using a membrane bioreactor Process Biochemistry Vol.41, Issue 8,Pages 1751-1757(Aug.2006) Textile Waste Water Treatment With Membrane Bioreactor http://www.epicin.org/documents/Textile_waste_water_treatment-MBR.pdf Screening of static culture and comparison of batch and continuous culture for the textile dye biological decolorization by Phanerochaete chrysosporium Braz. J. Chem. Eng. vol.23 no.3 Sa(o Paulo July/Sept. 2006 http://www.scielo.br/scielo.php?script=sci_arttext&pid=S0104-66322006000300002&lng=enptrg&nrm=iso&tlng=enptrg 染料脱色微生物による染料脱色機構の解析 http://eprints.lib.okayama-u.ac.jp/9286/1/95_001_005.pdf Dye Decolorization by Manganese Peroxidase in an Enzymatic Membrane Bioreactor Biotechnol. Prog., 20 (1), 74 -81, 2004. 10. Fouling Mechanism of Reverse Osmosis Membrane in Textile Wastewater Reuse Plant http://www.cv.titech.ac.jp/~jsps/activity_report/2006/Thirdphong_research_report.pdf Membrane filtration of textile dyehouse wastewater for technological water reuse Desalination Vol119, Issues 1-3, P1-9 (20 Sept 1998) 処理水の水質や分離膜の閉塞についても、上記の文献などお調べ下さい。 |
