◆フラットコートの歴史 ◆

● 19世紀 ●  
19世紀の間の火器弾薬の改良と、飛ぶ鳥を撃つ技術の採用で、
狩猟者たちは、射撃後にゲームを回収してくる犬の必要性を
感じていました。このタイプの猟犬に必要な要素は、レッサ
ーニューファンドランドやラブラドール、スパニエル、セッ
ター、ポインターにあるとされました。それらの犬の間での
交雑と選択繁殖によって、レトリービングの能力が得られま
した。            
 
こうして出来た犬のうちの一種「ウェイビー-コーテッド・
レトリーバー」は非常に人気が出て、猟場管理人や狩猟者た
ちに広く使われました。この「ウェイビーコーテッド・
レトリーバー」が現代のフラットコートの始まりでした。
狩猟者たちはフラットコートを第一次大戦中までに非常に優
秀な猟犬に発達させたのです。この流行犬種をもっと平らな
コートにするために1890年代ごろコリー種が導入されたよ
うです。
                                
●20世紀
後にラブラドールとゴールデンは独立した犬種としてケネル
クラブに承認されましたが、19世紀から20世紀にかけての
ショーリングでは、フラットコート、ラブラドール、ゴール
デンは同じ犬種として出陳されていました。フラットコート
は「黒」を選択的に繁殖してきましたが、1930年代には
「レバー」が 作出され、1940年に犬種の色として承認され
ました。異種レトリーバーとの交雑や、もともとフラットコ
ートを生み出す為に使われた犬達の毛色に関する遺伝子が混
じったせいで、いまだに黒やレバーのフラットコートから黄
色いフラットコートや白いマーキングのある犬が生まれる可
能性があります。こういった色の犬は犬種標準から外れてい
ますが、避妊去勢処置をすればよいパートナーになります。               (ただし、胸やパッド間のわずかな白い毛は珍しいことでは
なく、受け入れられています。)

第二次大戦後フラットコートは人気が衰え、存続が危ぶまれ
る状態になりました。そこでイギリスの繁殖者たちは、犬種
を救うために、戦乱で血統書をなくしたフラットコートや、
血統書はないけれどフラットコートと思われる犬を繁殖に導
入したり、ラブラドールとの異種交配を再開したりして、や
っと繁殖に必要なジーンプールを確保したのです。この為ほ
とんどのフラットコートの祖先は共通で、非常に狭いジーン
プールだと言われています。実際にどの犬も二十数世代遡る
と、一頭の有名な犬 [Darenth] にたどり着きます。

● 現在
二十世紀末、フラットコートは人気犬種となりました。
原産国のイギリスでは年間1200頭前後の登録ですが
日本では2002年に2000頭を超えています。
またヨーロッパでは人気犬種ベスト20にランクインしてい
る国もあるようです。
一方アメリカでは未だ希少犬種であり、年間500頭前後
の登録数です。

                           
 ●資料●
フラットコートの歴史について一番詳しい本は
Nancy Laughton 著 「A Review of The Flat-coated
Retriever」です。これにはフラットコートの祖先をなす
犬たち、レトリーバーの成り立ち、ウェイビーコーテッド・
レトリーバーについて本当に詳しく解説してあります。