高槻JTバイオ施設情報公開訴訟を支える会

[トップページ] [訴訟の概要] [裁判の進行状況] [訴訟の経過]

 

最高裁決定・大阪高裁判決確定に対する原告および当会の声明

 

声 明 文


  2005年3月1日、最高裁判所第三小法廷は、日本たばこ産業(株)、ジェイティ不動産(株)が行っていた上告受理申立に対し、「民訴法318条1項により受理すべきものとは認められない」という決定をしました。これにより、原告が逆転勝訴した2002年12月24日の大阪高裁の判決が確定しました。それを受けて、高槻市は3月3日付けで公文書決定通知書を送付し、3月4日以降当該文書が公開となりました。1995年3月16日、高槻市に対して情報公開請求を行って以来、まる10年の歳月を要し、ようやく文書公開を勝ち得ることができました。

 大阪高裁の判決では、まず、高槻市情報公開条例6条1項但書アの「人の生命、身体又は健康を害するおそれのある事業活動」の解釈として、「『害するおそれ』とは、その活動により人の生命、身体又は健康を害する可能性があれば一応は足りる」とし、「『事業活動』とは、その活動によって人の生命、身体又は健康を害する可能性があり、特別の安全対策なしには社会的に存立が許されない事業活動をいうと解するのが相当である」としています。そのうえで、「日本たばこ産業が本件施設で行っている組み換えDNA実験等の事業活動は、特別の安全対策なしに、無条件に『許された危険』として社会の認知を得たものとは認められない」とし、「本件施設において安全対策が存在しているにもかかわらず、本件施設における事業活動は、当該地域の通常人から見て、当該事業活動により人の生命、身体又は健康を害する現実的な可能性があると認められるものに該当する」と認定しています。この判決が確定したことは、本件施設に限らず、全国のバイオ施設の潜在的な危険性を認め、周辺地域への安全対策について警鐘を鳴らすものです。また、建築確認申請時の図面が全面的に公開になった事例はほとんどなく、今回の決定は、情報公開の推進、市民の知る権利の確立においても大きな一歩となるものです。

 しかし、情報公開に至るまでには、異議申立から始まり、高槻市情報公開審査会での審査、その後の大阪地裁、大阪高裁での裁判闘争、最高裁に対する意見書提出とまる10年の歳月を費やし、一市民としては限界に近い労力を要しました。本件はそもそも日本たばこ産業(JT)が住民の合意なしに研究所建設を強行し、住民が要望した情報を一切公開しなかったことに起因します。周辺環境の保全のために必要な情報を得るためには、高槻市が保有する建築確認申請における文書の公開しか他に手立てがなく、情報公開請求に至ったのです。それにも係わらず、JTは第三者に関する情報であることから高槻市に対して非公開の決定を要望し、裁判になるや訴訟参加人として割り込み、非公開の主張を続けてきました。いまや企業の社会的責任(responsibility)に対する関心が非常に高まってきており、そのなかでも、地域との信頼関係の確立、企業情報の公開とりわけ環境に関する情報公開の推進は大きな柱となっています。にもかかわらず、研究所建設計画から本日に至るまで十数年にわたり、地域住民無視と情報の非公開を取り続けてきたJTの企業姿勢は厳しく糾弾されるものです。

 一方、高槻市は、大阪高裁判決の趣旨を理解し、上告受理申立を断念したというものの、10年にわたり、市民の切実な要望よりもJTに追従し、結果的に情報の非公開に加担してきました。高槻市は、この事実を深く反省し、今回の判決確定を契機に、高槻市情報公開条例第1条で明記されている「市民の知る権利の保障」の実現に取り組まれることを要望します。

 最後になりましたが、大阪高裁勝訴、最高裁決定に至ることができたのは、弁護団の鎌田幸夫、加藤高志、岩本朗、原野早知子、高江俊名の5名の先生方、また、長期にわたり物心両面で支援していただいた全国の市民の方々のおかげであり、心より感謝いたします。ありがとうございました。

 なお、当会は、情報の公開という最終目的が達成されましたが、公開された情報をもとに今後ともJT医薬研究所の監視活動を継続していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

2005年3月5日

高槻JTバイオ施設情報公開訴訟 原告 二 木 崇
高槻JTバイオ施設情報公開訴訟を支える会 事務局長 黒 瀬 勉


 トップページ