高槻JTバイオ施設情報公開訴訟を支える会

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裁判の進行状況

 「高槻JTバイオ施設情報公開訴訟ニュース」の各号の1頁より転載


第27号(2002年12月

8/27 第4回口頭弁論で控訴審が結審

 去る8月27日(火)、控訴審第4回口頭弁論が大阪高裁81号法廷で開かれました。前回の口頭弁論(5月28日)で、原告弁護団は、第一審の結審終了後に起こった二件の事故や著作権についての新たな主張などを慎重に検討することを求めましたが、裁判長は事務的に裁判を進める姿勢を崩さず、第4回口頭弁論までに、原告、被告・参加人双方とも最終的な主張をまとめた準備書面を提出するように指示しました。
 それに従い、被告高槻市、参加人JTらは、7月19日にそれぞれを最終準備書面を提出しました。原告は、7月25日、次の4点についてまとめた最終準備書面を提出しました。
 @ 本件条例6条1項2号但書の解釈―利益衡量を行なうべきであること
 A 新井秀雄陳述書から明らかになった本施設の問題点
 B 本件文書は本件条例6条2項の非公開情報に該当するとの判断について
 C 原判決が示した条例解釈は情報公開制度の趣旨を没却するものであること
(以上、前号ニュースで既報)
 さらに、原告は最終準備書面を補強するために、第4回口頭弁論の前日の8月26日に、川本幸立証人の陳述書(4〜10頁)と原告本人の陳述書(2〜3頁)を提出しました。
 第4回口頭弁論は、原告本人が提出した陳述書の主旨を口頭で述べましたが、裁判長はその直後に結審を宣言し、来る12月24日に判決の言渡しを行なうことになりました。
 閉廷後、傍聴していただいた方々と弁護団の先生方とで簡単な総括集会を裁判所前で行いました。弁護団の先生方からは、「できることをすべてやったが、上級審に行けば行くほど悪くなる現在の裁判制度のもとでは、なかなか状況は厳しい。第一審よりも少しでもいい判決がでるように期待したい」とまとめていただきました。
 来る12月24日の判決には、年の瀬が迫った折、ご多忙のことと存じますが、多数の傍聴をお願いいたします。



第26号(2002年8月)

/28 裁判長は原告申請の証人調べを却下

/19 被告高槻市、参加人JTらはほぼ最終的な準備書面を提出
/25 原告も安全性・著作権で補充の準備書面を提出

5月28日(火)、第3回口頭弁論が大阪高裁81号法廷で開かれました。
 今回の口頭弁論では、裁判長が、バイオ施設の危険性に関して、国立感染症研究所の新井秀雄氏の証人調べ、第1審結審後に起きた有害物質下水垂流し事故に関して、JT医薬研究所所長の坪島正巳氏の証人調べを採用するかが大きな焦点となりました。
 そこで、原告弁護団は人証の採用についての意見書(2頁に掲載)を前日に提出し、この日の法廷でも岩本弁護士が証人調べの必要性を説明しました。しかし、太田幸夫裁判長は、前回と同様、証人調べには消極的な態度を崩さず、簡単に結審に持って行こうという姿勢がにじみ出ていました。
 やむを得ず、原告弁護団は、バイオ施設の危険性について新井陳述書(前号に掲載)を前提にした主張をまとめたい、また、著作権の解釈に関しても理論的に補充をしたいとして、もう1回の口頭弁論の期日指定を求めました。
 結局、原告、被告高槻市、参加人JTらそれぞれが、7月19日をめどに最終的な主張をまとめた準備書面を提出し、8月27日に次回口頭弁論を開くことになりました。
 なお、被告・高槻市は、7月19日、いつもながら参加人JTらの準備書面を全面的に援用するだけで中身の乏しい準備書面を提出しました。また、参加人もほぼこれまでの主張を繰り返す内容の準備書面に新しい書証(3頁に掲載)を添えて提出しました。
 それに対して、原告は、7月25日、次の4点についてまとめた準備書面を提出しました。

@本件条例6条1項2号但書の解釈―利益衡量を行なうべきであること。
A新井秀雄陳述書から明らかになった本施設の問題点
B本件文書は本件条例6条2項の非公開情報に該当するとの判断について
C原判決が示した条例解釈は情報公開制度の趣旨を没却するものであること

 次回第4回口頭弁論では、原告弁護団は前回に引き続き、裁判長に慎重な裁判進行を求めていきます。暑さの厳しいおりですが、前回と同様、多数の傍聴をお願いいたします。


第25号(2002年5月)

いよいよ控訴審が始まる!
1/29 控訴審第1回 原告は、新井秀雄氏(国立感染研)を証人申請
4/ 9 控訴審第2回 原告は、有害物質下水垂流し事故に関して、
              JT医薬研究所所長坪島正巳氏を証人申請
 

<控訴以降の経過>
 昨年7月12日の控訴以後、原告弁護団は、11月16日、控訴理由書及び新しい書証を提出しました。新しい書証(甲116〜125号証)は、第一審判決後に明らかになった有機塩素系有害物質下水垂流し事故に関して、原告が高槻市に対して情報公開請求をして入手した文書などです。さらに、原告弁護団は、本年1月23日、この事故に関して参加人JTに対して求釈明を申し立てました。
 また、1月24日には、原告弁護団は、新井秀雄氏(国立感染症研究所主任研究官)を証人とする証拠申出書を提出しました。新井秀雄氏には、「国立感染症研究所安全規程」の制定者である国立感染症研究所においても病原微生物等を使用する実験の安全は確保されておらず、安全確保のためには施設の立地条件が極めて重要であることなどを立証していただく予定です。
 これに対して被告高槻市は、1月28日に答弁書を提出しましたが、いつものように6頁ほどの簡単なものでした。
 参加人JTらも、1月28日、原告の控訴理由書に対する反論等をまとめた控訴審第1準備書面(要約を3〜6ページに掲載)を提出しました。こちらの方は39頁にわたり、全面展開をしています。特に、「著作権等の侵害」については、かなり力が入っています。

<控訴審第1回口頭弁論>
 本年1月29日(火)、大阪高裁第81号法廷で、控訴審第1回口頭弁論が開かれました。初めての控訴審ということで、寒さ厳しいなか、多くの方々が大阪高裁まで傍聴に駆け付けてくださり、励まされました。
 太田幸夫裁判長は、原告の求める証人調べについては、証人の陳述書で十分であるとし、証人調べには消極的な態度を示しました。その理由として、裁判長は「差止訴訟ならいざ知らず、情報公開訴訟で提訴から7年以上も経っていては、訴訟指揮に問題があるといわれてもしかたがない。情報公開は迅速な判断が必要である。」と述べました。
 それに対して、原告弁護団は、「当然迅速に進めるべきであるが、事案の内容を慎重に検討してほしい。」と反論し、新井氏の陳述書を見てから、証人調べに入るのかどうかを判断してほしいと要望しました。結局、3月中旬をめどに、新井氏の陳述書を提出し、4月9日に行う第2回口頭弁論で裁判所が判断を示すことになりました。

<控訴審第2回口頭弁論>
第2回口頭弁論は、4月9日(火)に開かれました。それに先立ち、3月28日、原告弁護団は、参加人らが提出した控訴審第1回準備書面に対する反論をまとめた準備書面を提出しました。
 当日、原告弁護団は、新たな証人調べを実現できるように次の三点を要望しました。

@新井秀雄氏作成の陳述書について
証人申請を行っている新井秀雄氏の陳述書については、現在、ほぼ完成しており、4月末までに提出予定である。新井秀雄氏の人証申請の採否については、陳述書の提出をふまえてご判断いただきたい。

A著作権法の解釈について
著作権法の解釈について、現在、法学者の意見を求めており、可能であれば意見書を提出する予定である。

B今後の進行について
以上の次第で、5月中旬以降に次回期日を指定していただきたい。

 裁判長も概ねこの要望を受け入れ、第2回口頭弁論は終了しました。

 なお、有機塩素系有害物質下水垂流し及び事故隠しに関して、参加人JTに対して求釈明を申し立てましたが、参加人らは曖昧な釈明に終始したため、この件に関しては、医薬総合研究所所長坪島正巳氏(代表取締役副社長)を証人に申請しました。

 次回5月29日(火)の第3回口頭弁論は、裁判長が新井秀雄氏および坪島正巳氏の証人調べを必要と判断するか、それともこれを不必要として即結審とするか、重大な局面を迎えます。ここは、できるだけ多くの方々に傍聴していただき、新たな証人調べを続けるように、その思いを裁判長に伝えたいと思います。ぜひ、傍聴のご協力をお願いいたします。

第24号(2001年10月)

6/29 大阪地裁は原告の請求を棄却
7/12 原告は大阪高裁へ控訴

控訴理由書は10月末提出予定
控訴審第1回期日は来年1月29日に決定


 6月29日、大阪地裁806号法廷には、多くの方が駆けつけてくださり、判決言い渡しの瞬間を待ちました。午後1時15分、報道関係者の写真撮影が済むと、三浦潤裁判長が判決の主文を読み始めました。「1.原告の請求を棄却する。2.訴訟費用は原告の負担とする。」とだけ読み上げると、すぐさま退廷しました。判決言い渡しを二度にわたり延期しておきながら、わずか1分にも満たない時間でした。
  原告の請求を全面的に棄却するというこの判決は、予想だにしなかったものです。96 年10月提訴以来、4年半にわたり、計23回の口頭弁論を重ねてきたその内容からしても、とても原告の全面敗訴は考えられないものであり、明らかに不当な判決です。
  裁判終了後、裁判所北側のプロボノセンターで、原告弁護団、支援の方々で報告集会をもちました。弁護団より判決文(A版94頁)の解説があり、このような不当判決を到底認めることはできず、即刻控訴することを参加者全員で確認しました。
  7月12日、原告弁護団は大阪高等裁判所に控訴しました。控訴理由書については、10月末に提出する予定で、現在、弁護団会議を重ねて慎重に検討しているところです。 
 判決後、支援の方々から多くの激励をいただきました。公害問題に長年取り組まれている方からは「一審の判決が不当であればあるほど今後は闘いやすい」との激励もいただきました。これでへこたれていたのでは、全国の環境問題で闘われている方々、情報公開推進に取り組まれている方々に申し訳ありません。今後も控訴審勝訴に向けてがんばりますので、皆様方のご支援をよろしくお願いいたします。

第23号(2001年6月)

6月29日(金) いよいよ判決言渡
6/6 判決言渡の再度の延期に対して
原告弁護団の「意見書」、原告の「上申書」を裁判所に提出

 3月27日、大阪地裁から、判決言渡を3月30日から5月25日に延期したいとの連絡がありました。さらに5月11日に、再び6月29日に延期したいとの連絡がありました。延期の理由は、「事案が複雑なため、時間が必要」とのことでした。
 判決言渡が裁判所の都合だけで二回も延期されることは異例です。裁判所からの通知が直前であり、当会では、はがきで緊急連絡を入れましたが、急遽予定を変更されたり、当日裁判所に行かれた方もあり、たいへんご迷惑をおかけしました。
 判決言渡の延期が知らされた3月27日、奇しくも本訴訟と関係する裁判の判決が2件ありました。ひとつは、89年3月の提訴以来、12年にわたり争われていた「予研(感染研)裁判」ですが、東京地裁は「原告らの請求をいずれも棄却する」という不当判決を示しました。
 もう1件は、最高裁が、「大阪府知事交際費訴訟」で、「部分公開の義務なし」とし、公開の範囲を狭める初判断をしました。情報公開の流れに逆行する不当判決です。
 本訴訟の弁護団は、この不当判決を直ちに検討した結果、そこで示されている判断が本訴訟と基本的に関係がないとの見解をまとめました。しかし、二度にわたる判決言渡延期がこの判決に影響しているのではあれば大きな問題であり、6月6日、原告弁護団は「意見書」を裁判所に提出しました。また、原告も「上申書」を提出しました。


第22号(2001年3月)

12/1結審直後に
JT研究員による放射性物質持ち出しばらまき事故発生!

原告は「弁論再開申立」を裁判所に提出
裁判所は「必要なし」と判断し予定通り判決へ

昨年12月1日、ついに裁判は結審を迎えました。96年10月の提訴以来まる4年です。結審に先立ち、原告側は11月16日に最終準備書面を提出し、被告高槻市、参加人JTらも11月13日に最終準備書面を提出しました。結審当日は、被告、参加人らの最終準備書面をふまえて、原告本人が最終意見陳述(⇒3、4頁に掲載)を行ないました。そのあと、裁判長は来る3月30日午後1時10分より判決を行なうことを宣言し閉廷しました。結審から4ヵ月後、しかも今年度の最終日ということで、裁判長が慎重に検討し、自分の任期中に判決をまとめようとする意欲の表れと原告弁護団は勝訴を確信しています。
 ところが、年の瀬も押し迫った12月20日午前10時ごろ、新聞、テレビなどの報道でご存知のように、JT「医薬総合研究所」の研究員が、研究所内から放射性物質を含む試薬などを持出し、JR高槻駅改札口付近にばらまくという事故が起こりました。
 原告本人は、事故の知らせを受けてすぐに、現場に急行し、放射性同位元素の除染作業が終了した午後7時ごろまで、現場で監視を続けました。また、翌日12月21日、「バイオ時代の安全性・環境研究センター」と共同でJTに対して緊急の申入れを行ない、同研究所の西野和博副所長に対して、申入書の内容を厳粛に受け止めるように強く求めました。引き続き、被告・高槻市長に対する緊急の申入れも行ないました。
また、同日、高槻市もJTに対して、申入れを行なっています。高槻市は、「幸い人命に係わるような大きな被害をもたらすには至らなかったものの、一歩間違えば、大きな人的披害をも招来しかねない由々しい事態であったと考えている。また、今回はRI物質の『持ち出し、ばらまき』というものであったが、同研究所で実施されている組換えDNA実験による組換体や取り扱われている病原体の持ち出し・ばらまき等の事態をも招来する高い蓋然性も懸念される。」とこれまでにないほど強いトーンで述べ、JTに6項目の申入れを行ないました。
本訴訟において、被告高槻市は、参加人JTらの主張をまるごと援用し、当研究所の安全管理体制は完璧であると主張してきましたが、高槻市はこの申入れで決定的な自己矛盾に陥りました。
 そこで、原告弁護団は緊急に連絡を取りあい、今回の事故に関するものを証拠として提出するために弁論の再開を申し立てることを決め、年明け早々の1月12日、裁判所に対して「弁論再開申立」を提出しました。しかし、裁判所は、弁論再開の必要はないとの判断をし、予定どおりの期日で、判決が出されることになりました。




第21号(2000年8月)

9/8 被告高槻市側証人・豊島久真男氏尋問
「専門者会議」が安全性の確保に機能していないことが明らかになる

 去る9月8日(金)大阪地裁で開かれた第21回口頭弁論で、被告高槻市側証人・豊島久真男氏(東京大学・大阪大学名誉教授)の主尋問および反対尋問が約2時間半にわたり行なわれました。豊島氏は、腫瘍ウイルスの研究に取組み、世界ではじめてがん遺伝子を発見するなど発がん機構の研究の権威です。
 東京大学医科学研究所所長、大阪大学微生物病研究所所長、大阪府立成人病センター総長を経て、今年4月より住友病院院長。また、日本ウイルス学会会長、日本癌学会会長、文部省・厚生省、科学技術庁等の政府委員を歴任し、まさに医学界の"重鎮"であり、バイオテクノロジー推進の中心人物です。
 高槻市とJTとの間で締結された「組換えDNA実験等に係る環境安全に関する協定」に基づいて「日本たばこ組換えDNA実験等安全対策調査検討専門者会議」が設置されています。豊島氏は、この「専門者会議」が発足した1993年から委員を務めています。
被告高槻市と参加人JTらによる主尋問は、豊島証人の陳述書(訴訟ニュース第20号全文掲載)に沿って進められました。それに対して、後半の原告による反対尋問は、主に岩本弁護士が担当し、以下の点を明らかにしました。
@「専門者会議」が本件施設の安全性の確保について機能していないこと。               
A「専門者会議」の委員である証人のバイオ施設の安全性確保についての知見、経験を問い、本件施設の安全性確保が十分でないこと。
B本件施設の安全対策そのものについて問い、本件施設の安全性確保が十分でないこと。
 全体を通して、不正確な知識に基づく誤った証言が随所にありましたが、象徴的な例を紹介します。
・「専門者会議」の定例会議は年1回だけ開かれているにもかかわらず、「年2回程度」と曖昧な認識であった。
・「P2」「P3」という施設のレベルの区分けと病原体のレベルの区分けの用語である「レベル2」「レベル3」を混同していた。
・「レベル2」の病原体の例を尋ねられても想起できなかった。
・「伝染病予防法」が廃止され、「感染症の予防と感染症の患者に対する医療に関する法律」が制定されたが、その存在すら知らなかった。       
 豊島証人の医学における研究業績は確かに偉大であったのでしょうが、それはすでに過去のものであり、バイオ施設の安全性確保について、以上のように専門的知識が生かされているとは思えない証言に終始しました。
「専門者会議」の学識者として委員を務めている豊島証人がこの程度のレベルであることは、「専門者会議」が安全性確保のために機能していないことが明らかになりました。
 さて、豊島証人の尋問で予定していた証人調べはすべて終了し、いよいよ12月1日の口頭弁論で結審します。それまでに、原告、被告・参加人とも最終準備書面を提出することになり、原告弁護団は11月16日、127頁にわたる最終準備書面を提出しました。
(紙面の関係で、今号にはとりあえず目次だけを下記のとおり掲載しました。)
 なお、被告高槻市も11月13日に、最終準備書面を提出しましたが、わずか7頁で、予想通り手を抜いたものでした。また、参加人JTらも同日に最終準備書面を提出しました。こちらの方は、108頁にわたり全面展開していますが、これまでの準備書面で主張していたことの焼き直しで目新しい点はありませんでした。


第20号(2000年8月)

6/16 原告側証人・川本幸立氏尋問
  緻密な証言で、被告・参加人はまともに反論できず

 去る6月16日(金)大阪地裁で開かれた第20回口頭弁論で、原告側証人・川本幸立氏(一級建築士、「バイオ時代の安全性・環境研究センター」事務局長)の主尋問および反対尋問が約2時間半にわたり行なわれました。
 川本証人は、94年まで大手エンジニアリング会社で設計の現場におられ、設備設計の専門家としての豊富な知識をお持ちです。また、千葉市・土気工業団地の「昭和電工椛麹研究所」進出に対しては、安全性を求める住民運動に中心になって取り組んでこられました。
 主尋問は、川本証人の陳述書(訴訟ニュース第19号全文部掲載)に沿って進められました。今回の主尋問の目的は、@本件文書には安全性に関する情報が含まれており、どのような安全対策が読み取れるかを明らかにすること。(担当:原野弁護士)A本件文書には、公開されることにより不利益になるようなノウハウや企業秘密は含まれていないことを明らかにすること。(担当:高江弁護士)の二点でした。
 @については、原告側は実際の図面を見ていないため、通常の場合、証言することは困難です。ところが、「予研(感染研)裁判の会」の協力を得て、被告・厚生省から提出させた予研の建築設計図面を証拠として提出することができました。主尋問では、その図面(次頁参照)をもとに緻密な証言を行ないました。
 Aについては、参加人・JTらが特に強調している「ISS方式」「消音」などのノウハウや企業秘密について、川本証人の精力的な調査研究により、豊富な資料を示しながら具体的に反論しました。
 それに対して、後半の反対尋問では、被告高槻市、参加人JTらとも主尋問の内容にまともな反論ができず、「揚足とり」のような尋問に終始しました。
 なお、裁判の今後の進行は、9月8日の被告側証人・豊島久真男氏の証人調べを最後に、原告、被告・参加人とも最終準備面の準備に入り、年末までに結審し、来春には判決の予定です。


第19号(2000年6月)

地元住民の不安を証言 4/21原告本人尋問

 去る4月21日、大阪地裁で開かれた第19回口頭弁論で、原告本人・二木崇の主尋問および反対尋問がありました。
前半の約1時間あまりの主尋問では、先に提出した原告本人の陳述書(全号の訴訟ニュースに全文掲載)に従って行い、次の3点、
 @本件施設開設にあたってのJTの説明や情報公開が不十分であったことと「新医薬研究所に反対する会」の結成と住民運動の延長としての情報公開であること
 A住民からみた本件施設の具体的危険性
 B本件文書の情報公開の必要性
を明らかにしました。
 裁判長に地元住民の思いを理解していただくために、「新医薬研究所に反対する会」の全戸配布ビラをはじめ反対運動当時の資料を中心に豊富な証拠を提出し、具体的に証言していきました。
 それに対して、参加人・JTら、被告・高槻市の反対尋問が行われましたが、特に安全性の問題に関しては、あまりにも非科学的で論理性に欠く尋問内容が続出し、原告側弁護団から異議が出され、たびたび紛糾しました。
 裁判長も、被告側代理人・寺内弁護士の尋問内容に対して厳しく諭す場面もあり、法廷内は異常な盛り上がりがありました。
 白熱した反対尋問終了後、今後の裁判の進め方についての協議がありました。裁判長は、原告側が申請していた証人・川本幸立氏の尋問の必要性を認め、次回の口頭弁論で行うことになりました。しかし、市川定夫氏の証人調べに対しては、先に提出した市川氏の陳述書(次号の訴訟ニュースに掲載予定)で十分であるとし、証人調べは行わないこととしました。したがって、下記のとおり、被告側証人・豊島久眞男氏(元大阪大学教授、大阪府立成人病センター総長)の証人調べで終了することになりました。
 次回、川本幸立氏の証人調べは、本号全文掲載の陳述書の内容で行い、研究所の施設・設備に関して被告・参加人らが主張してきたことを専門家の立場から徹底的に批判します。


第18号(2000年4月)

4/21 いよいよ原告本人(二木崇)の証人調べです
 昨年は、5月26日、6月30日、11月17日の三回にわたり、参加人JTら側の証人石黒繁夫氏(JT「医薬総合研究所」副所長)、布施正夫氏(「日建設計」設備設計主管)の尋問が行なわれました。しかし、次の証人調べを誰にするかをめぐって、この4ヶ月調整が続きました。経過はつぎのとおりです。
 高槻市情報公開条例は「原則公開」であり、本件で争われている非公開決定は、「原則公開」の適用除外にあたります。裁判長は、条例の運用に則った原則的な訴訟指揮をし、まず先に被告・参加人に立証責任を負わせました。したがって、次回の証人調べは、被告側の証人豊島久眞夫氏(大阪府立成人病センター総長)となる予定でしたが、被告・参加人側は、原告側証人市川定夫氏(埼玉大学理学部教授)の陳述書を先に読まない限り、豊島氏は陳述書を書けないと強行に主張しました。その結果、裁判所も、市川証人の陳述書の提出を12月17日までと期日を示しました。
 ところが、市川先生が、大学での日頃からの激務に加えて、焦眉の問題である遺伝子組換え食品、東海村JCO臨界事故調査などが緊急に入り、陳述書提出の期日にはとうてい無理な状況になりました。
 そこで、12月22日に、裁判所で「進行協議」があり、原告側は、市川先生の陳述書を準備している間に、原告側証人川本幸立氏(一級建築士、バイオ時代の安全性・環境研究センター事務局長)の証人調べを先に行なうことを求めました。ところが、裁判長は、川本氏の証人調べは、陳述書の内容を検討してから決定すると述べました。それに従い、2月22日、第18回口頭弁論で、川本氏の陳述書(次号掲載予定)を提出しました。
 その際に、裁判長は、今年中に結審にもっていきたい意向を示し、効率よく裁判を進めていくために、当初から予定していた原告本人の証人調べを次回に行なう方針を示しました。突然のことでしたが、急遽、3月31日、原告本人の陳述書(2〜16頁掲載)提出しました。
 


第17号(1999年11月)

布施正夫(日建設計)証人のノウハウ・企業秘密を論破!
去る6月30日、大阪地裁で開かれた第15回口頭弁論で、参加人JTら側の証人・布施正夫氏(「日建設計」設備設計主管)の主尋問および反対尋問が行われました。
午後1時過ぎより約1時間、被告高槻市、参加人JTらの主尋問では、先に提出していた同氏の陳述書(訴訟ニュース第16号に掲載)の内容を逐次確認する形で進められました。途中休憩をはさみ、後半の約1時間30分は、原告側からの反対尋問を行いました。高江俊名弁護士が、証人のいうノウハウ・企業秘密がいかに根拠の薄いものであるかを明らかにさせました。続いて、原野早知子弁護士が、ノウハウ・企業秘密とする本件文書に安全性に関する情報が含まれていることを引き出し、反対尋問を終えました。
尋問終了後、裁判長より、原告申請証人(川本幸立氏)よりも先に、被告及び参加人申請の石黒繁夫証人(安全性関係)、豊島久眞男証人の証人尋問を実施したいという訴訟指揮がありました。
 それを受けて、8月10日、進行協議が開かれましたが、被告・参加人側が、石黒証人尋問の前に、原告申請の市川定夫証人の意見書の提出を執拗に求めたからです。8月30日、再度進行協議が開かれ、結局、次のように取り決めました。
・石黒証人の尋問をまず先に行う。
・石黒証人の証人申請を、原告及び参加人双方から提出する。
・参加人は、石黒証人の陳述書を10月18日までに提出する。
・原告は、市川証人の意見書を12月17日までに提出する。

 10月18日、参加人は期日どおり石黒証人の陳述書を提出しました。次回の口頭弁論での石黒証人の主尋問は、おそらくこの陳述書に沿って行われる模様です。


第16号(1999年6月)

石黒繁夫(JT)証人に対して、緻密な反対尋問で迫る!

いよいよ証人調べが始まりました。去る5月26日、大阪地裁で開かれた第14回口頭弁論で、参加人JTら側の証人、JT「医薬総合研究所」副所長石黒繁夫氏の主尋問および反対尋問が行われました。
10時30分から始まった被告高槻市、参加人JTらの主尋問は、先に提出していた同氏の陳述書(訴訟ニュース第15号に掲載)の内容を再度確認する形で進められ、約45分ほどで終了しました。引き続き、原告側からの反対尋問に入り、午前中に約45分、昼の休憩をはさみ、午後から約1時間にわたり、加藤高志弁護士が周到な準備による充実したな尋問を展開しました。
 反対尋問の基本的な論点は、
@そもそも「石黒陳述書」で言っている事項は抽象的で企業秘密たり得ない。
A企業秘密と認められる場合があるとしても、図面からは判読できない。
B図面から判読できる部分があっても、そこからわかる情報の程度では企業秘密たり得ない。(針小棒大な主張であることの確認)
の3点で、午前は、抽象的論点についての尋問にとどめ、午後からは図面(甲第10号証、甲47号証→注)等具体的な証拠に基づき尋問しました。
また、5月31日付けで、次回の証人である布施正人氏(「日建設計」設備設計主管)の陳述書(2頁〜12頁に全文掲載)が提出されました。この陳述書では、本件文書に建築設計上のノウハウや企業秘密が含まれ、公開されると競争上の不利益が生じると主張しています。次回の証人調べの主尋問では、これに沿って行われると予想され、現在、原告弁護団では反対尋問の準備に全力を傾けています。

<注>
甲10号証 「バイオ・創薬時代を拓く−製薬企業研究所総覧」(91年9月5日発行)
  発行:株式会社薬事日報社
 監修:厚生省薬務局医薬品先端技術振興室
* 本件施設を含む製薬企業研究所の概要や研究内容等が公刊物上で公表されている事実を示している。
甲47号証  大阪府立大学付属研究所生物資源開発センター(仮称)新築衛生設備工事 設計図
  大阪府建築部営繕室、大阪府立大学施設課
  叶ヤ松菅野建築設計事務所
* 本訴訟「支える会」のメンバー(堺市在住)が大阪府の情報公開条例に基づき請求したところ、ほぼ全面公開となったもので、本件と類似の研究所についての図面である。



第15号(1999年5月)

いよいよ証人調べ! ぜひ、傍聴をお願いいたします!

 証人調べが、来る5月26日第14回口頭弁論からいよいよ始めます。4月28日、参加人JTら側の石黒繁夫証人の陳述書(丙第28号証)を提出されました。この陳述書の主な内容は、「一 新薬の研究開発における競争について」「二 本件文書の記載内容および読み取れる企業秘密」「三 本件文書が公開されるとどのような不利益があるか」 「四 研究開発に関する情報は秘密として管理されていること」「五 すでに公開されている資料と本件文書の質の違い」「六 防犯上の問題」です。(本号2頁以降で全文掲載)
 参加人が先に提出した能勢尚志氏の陳述書(訴訟ニュース第14号で全文掲載)を援用する形で、目新しい陳述はあまりありませんでした。具体的な陳述としては、第五章で、原告が提出した証拠(製薬会社各社の研究施設の情報)に対する反論の部分ぐらいです。
 被告高槻市、参加人JTらの主尋問では、この陳述書に沿って、証人調べを進めていくものと思われます。この間、原告弁護団は、頻繁に弁護団会議を持ち、この陳述書を分析・研究し、徹底的に反対尋問を繰り広げるつもりです。ご期待ください。
なお、この間、参加人らは、下記のとおり、二人の学識経験者の意見書を証拠として提出しました。
*丙第17号証(1998年12月3日付け)
 「JT医薬総合研究所の設備システム」
  坂本雄二(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻)
*丙第30号証(1999年4月20日付け)
 「建築設備図の著作物性について」
  大森文彦 (東洋大学法学部教授)
    略歴 東京大学工学部建築学科卒、一級建築士、弁護士登録




第14号(1999年3月)

いよいよ次回5月末より、証人調べ始まる!

 去る2月10日、第13回口頭弁論が開かれ、いよいよ5月末から証人調べに入ることになりました。まず最初に、原告側から、参加人JTらが申請した証人・能勢尚志氏の陳述書(4〜8頁)について、「第一節から第四節までの内容は、陳述書を読むだけで十分である。第五節以降は、証人・石黒繁夫氏の尋問事項と重複する」と指摘しました。裁判長もこれを認め、「この程度なら、証人の必要はない」と述べました。これに対して、被告高槻市の寺内弁護士が、「石黒、布施両氏の証人調べを聞いて、さらに専門的な事項があれば、能勢氏の証人調べを行うべきである」と食い下がりました。しかし、裁判長は、「現時点では証人としない」と明言し、事実上、証人申請を却下しました。
 本件で争っている「高槻市情報公開条例」の第6条本文該当性の立証責任が被告・参加人にあります。すなわち、被告・参加人は、本件文書に企業秘密やノウハウが含まれていることを証人調べで立証しなければなりません。したがって、証人調べは、下記のとおり、まず最初に参加人が申請した証人から始まります。
 なお、石黒証人の陳述書は4月28日までに、布施証人の陳述書は5月末日までに提出することが申し合わされました。

*石黒繁夫  日本たばこ活纐総合研究所研究企画部長
*布施正人   鞄建設計 設備設計主幹


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